シリーズ盆ラマ 回転寿司 解説編
レイアウトベースの作成
今回TOMIXの一番小さいスーパーミニカーブレール(1111)を使用します。
これでレイアウトを作ると道床の外径が224mmになります。
八寸(約24cm)のものがちょうどいい大きさとなります。
実際に届いた寿司桶で計測してみると八寸は外径で内径は222mmでした。
結果道床が少しはみ出てしまいますがレイアウトのベースを寿司桶の縁と同じかそれ以上にすれば問題ありません。
ベースはベニア板(シナベニア)を使いしました。
寿司桶の内径と同じ大きさの円を切出します。
板の切れ端でカッターコンパスを作ります。
これを使って直径222mmの円を切出しました。
なかなか真円を切出すのは難しいので少し大きめに切出しておいて後は現物合わせでヤスリで削りました。
これに丸棒の脚を3本取り付けました。
後で高さが微調整できるように足の先には木ネジを付けておきます。
足の取り付け位置ですが寿司桶の底の縁がアールになっているので少し中に入れる必要があります。
最初はビスの頭を道床で隠すつもりでしたが結果、少しはみ出てしまいました。
メンテナンスの事を考えるともう少し内側にしてレールを施工した後でも脚を取り替えれるようにした方がよかったと思います。
レールをこの上に施工していく訳ですが今回のギミックのために停止区間を設けます。
レールはスーパーミニカーブレールを2組使うと丁度円のレイアウトができます。
この中に30°のものが4本ありますがこの内側のレールのジョイナー(線路をジョイントする金属)を外しておきます。
またこれらにつながる60°のレールのジョイナーも一箇所だけ外しておきます。
すなわちこの30°の内側のレールはどこにも接続されない事になります。
4本の30°のレールは連続して接続します。
ジョイナーを外した部分は電気が流れないようになります。
このままでも大丈夫なようですが、もし接触して通電するようならレールを少しヤスリで削ってください。
今回はベースが木材なのでレールの固定には小鋲(0.9mm太)を使いました。
ピンバイスで0.7mmの穴を開けて小鋲を差し込んでいきます。
客車の作成
次にネタが乗っている客車を作ります。
客車はよく握り寿司が乗せられ出てくるまな板をイメージします。
回転寿司は皿じゃないかとツッコまれそうですが、皿だと客車にならないので許してください。
幅20mm高さが10mmの角材を45mmに切って客車にします。
高さが少し高いような気がしますが5mm以上であれば可能だと思います。
また幅ももう少し狭くても大丈夫だと思いのます。
客車で重要なのは台車の間隔です、今回作るギミックの都合上、客車と客車の間隔を丁度30°のレールの長さ(中心の直線距離)にする必要があります。
レールの長さが53mmなので逆算して台車の間隔を19mmとしました。
台車の間隔が狭いと台車通し干渉してしまいます。
今回使った台車はKATOのTR211というBトレインショーティ用のものです。
通常のNゲージ用の台車だと台車通しがぶつかってしまいます。
これ以外の台車の場合、台車の間隔を調整する必要があります。
また台車の取り付けピンが台車と一体型のものはこのピンをカッター等で取り除く必要があります。
45mmに切断した角材に2ヶ所ビス穴をキリで開けておきます。
位置は台車の間隔が19mmの場合、両端から13mmの位置になります。
台車は3mmの木ネジで取り付けます。
客車の角材との間にプラスチックワッシャーを2枚入れておきます。
これは車輪と角材の間に隙間を設けるためでプラスチックワッシャーの代わりにスプリングワッシャーや通常ワッシャーを重ねても代用ができると思います。
台車は自由に動かないようにネジを締め付けても大丈夫です。
今回は円のレイアウトで一定の角度のままなので自由に動かない方がレールに乗せやすいようです。
角度はレールのアールに合わせて指で調整します。
次にその上に両面テープで食品サンプルの握り寿司を貼り付けて客車の完成です。
ギミックの作成
今回のギミックの説明をします。
カウンターを模したプラットホームでボタン操作により指定したネタが止まる仕組みを考えます。
動力車が停止する位置によりこのプラットホームに停止する客車が違ってきます。
すなわち4ヶ所ある停止区間のうち電気を止めた区間により停止する位置が異なってきます。
今回の回路図を表すと下のようになります。
4ヶ所の停止区間(30°レール)にはスイッチを介して電源を接続します。
このスイッチは押すOFFになるタイプです。
電源には反転できるように2回路のスイッチをつけました。
今回のレイアウトは回る方向は一定(回転寿司は一般的に時計回りだそうです)なので反転スイッチがなくても構いません。
その先には速度を調整できるように100Ωの可変抵抗(ボリューム)を付けてあります。
今回は電池で駆動する様にしていますが、通常のコントローラを接続すればスイッチやボリュームは必要ありません。
線路に配線をするため下のような銅線を6個作成します。
上のフックはレールにひっかかるようにしてここをハンダ付けします。
銅線の取り付け位置にピンバイスでレールの道床に穴を開けます。
銅線はさきほどの停止区間の内側(4ヶ所)と本線の内側と外側の2ヶ所です。
本線はどこでも構いませんがなるべく目立たないよう停止区間と反対側にします。
ハンダ付けの位置は車両の車輪にぶつからないように線路の外側にしますので穴の位置も外側になります。
ベースの裏側に出た銅線にリード線を接続します。
後で接続し直せる様にコネクタタイプの物を使用してますが直接ハンダ付けでも構いません。
リード線は内側のレールに接続するものが本線用が1本で停止線用が4本、外側のレールに接続するものが1本の合計6本です。
次にスイッチ等を収める一合枡を使ったコントロールボックスを作成します。
この一合枡、底板が12mmと厚く穴を開けただけではスイッチ等が取り付けられません。
削って取り付けようとしたのですが桧で堅くて容易に加工できません。
諦めてパネル面には似たような素材のシナベニア(4mm)を使用しました。
通常のコンローラーに接続できるように電池ボックスの出力はDC延長ケーブルを介して接続しています。
レイアウトと枡のコントローラは、6芯の延長ケーブルのコネクタ通しで接続できるようにしてあります。
スイッチがどのネタに対応しているか分かるようにパネル面に写真が貼ってあります。
補足
今回動力車にBトレインショーティを使っていますが、通常のNゲージの動力車を使った方法を紹介します。
通常のNゲージの場合、前後の台車が2つの停止区間をまたぐのでひとつの停止区間の電流を遮断しただけでは車両は走り続けます。
左の写真のように片方の台車からの集電をビニルテープなどで絶縁します。
また蒸気機関車の場合、テンダー車からの集電をカットします。
次回の仕上げ編ではテンダー車そのものを外していますがテンダー車の車軸の金属(右写真矢印)を外しただけでも構いません。
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