シリーズ盆ラマ 第2弾 解説編
メインストラクチャーの設置

 メインストラクチャーにはTOMYTECの建物コレクションの駅Aを使いました。



 ストラクチャーに基づいてレイアウトのサイズを決めます。
 レイアウトの幅は450mmとします。
 この450mmというのは意味があって、市販されている部材の大きさは1800,900,450mmがユニットの単位となっていますのでこのサイズだと材料を有効に使うことができます。
 レイアウトの奥行きはこのストラクチャーの奥行きにレールの幅を足したサイズに前後に余裕を持たせて100mmとしました。

 ベースの材料として塩ビ板を使います。  この材料は安価で加工もしやすいのでよく使います。
 色はいくつかあるようですがストラクチャーと同系統のグレーのものを使いました。  サイズ300×450mm(2mm厚)のものが市販されています。
 それをカッターでカットして450×100mmのベースを切出します。
 レイアウトのベースはこのままでも良いのですが電気系統を中に入れるためケース状にします。
 余った部材から35mmの側板を4枚切出します。  参考に板取り図を記載しておきます。



 ストラクチャーをベース板に組み立てていきます。
 ストラクチャーはベース板の中央部に配置します。ホームの手前はレールを配置するので35mm空けてあります。



 ベースの側板は後から付けたので組み立て手順が異なっていますが、最初にベースとなるケースを組み立ててからストラクチャーを配置する方がやりやすいと思います。
 ストラクチャーは両面テープ(強力)で貼り付けています。



 ベースの側板を組み立てます。  接着は塩ビ用の接着剤を使ったのですがゼリー状の瞬間接着剤でも白濁化しないようなので大丈夫です。
 前面の側板には穴を開けてメインスイッチや速度調節用のボリュームを取り付けています。
 穴はなるべく大きな穴をピンバイスで開けておいてリーマで広げています。


レールの施工

 レールは140mmのものを3本使います。  TOMIXの場合
Fine Track S140という製品がこれにあたります。



 赤印のジョイナー(線路をジョイントする金属)を外します。  下の接続用突起もカットしておきます。(このレールを後から再利用する場合はそのまま)
 緑矢印通しを接続します。
 ジョイナーを外した部分は電気が流れないようになります。
 このままでも大丈夫なようですが、もし接触して通電するようならレールを少しヤスリで削ってください。
 レールも両面テープ(強力)でレイアウトに貼り付けています。

 配置位置ですが走らせる車両にもよりますがホームにくっつけても大丈夫な様です。
 実際に走らせる車両を置いてみてホームにぶつからない事を確認してください。

 線路とリード線を接続するために銅線を使って接続端子を4本作ります。



 ピンバイスでベースに穴を開け接続端子の長い足の方を差し込ます。
 この時のポイントはなるべく接続部を目立たせないためハンダがレールに隠れるように少し後ろに接続端子を通します。



 レールの裏側でハンダ付けをします。

 なおジョイナーを外さないでそのままにしておいてリード線をハンダ付けしても構わないと思います。
 その場合は内側の外したジョイナーをもう片方に差し込んで使用します。

反転装置の詳細

 反転装置は
バスを動かすその3でやった点発珍(フリップフロップ)とリレーをそのまま使いました。



 ただしなるべく反転周期を長くするために電解コンデンサーを470μFのものにしています。
 今回電源の電圧を小さくしたためリレーが動かなくなってしまいました。
 そのためをリレーを接続するの抵抗(360Ω)を取り外してトランジスターの出力を直接リレーにつないでいます。
 またリレーが付いていない方の出力端子に取り付けた可変抵抗(500Ω)を前面パネルから操作できるようにつまみ付きのボリュームに変更しています。
 これでホームの端で停止する待機時間をコントロールする事ができます。



 左から反転装置の電源スイッチ、待機時間調整用ボリューム、スピードコントロールボリューム、列車電源スイッチ(6Pトグルスイッチ)です。
 反転装置の電源と列車用の電源を共通化したかったのですが、同一電源にすると反転装置が安定して動かないようなので別系統に分けました。
 通常のNゲージコントローラから電源が供給できるようにもしていますが実験的に乾電池(単三3本)で動かしています。
 速度用のボリュームは500Ωのものをただ直列につないただだけです。

二灯式信号機の作成

 二灯式信号機は2色のLEDを使ってそれを切り替える事にします。
 LEDは赤と黄緑のチップLEDを使います。
 本当は青のLEDを使おうとしたのですが青は黄緑の4倍以上の価格がします。
 チップLEDは
レンズ付きの3216パッケージのものです。
 以前チップLEDは遮断機の点滅に使ったのですがその時は1608パッケージで今回はその丁度、倍の大きさです。
 パッケージが大きいとハンダ付けも楽です。
 レンズ部分は半球上になっていて丁度、信号灯と同じ形状なので使ってみました。

 信号機の切り替わる仕組みは電流の向きを換える事で違うLEDが点灯するようにします。
 LEDはダイオードなので電流の方向によって点灯したりしなかったりします。
 この仕組みはNケージ車両の前照灯とバックライトの切替と同じです。
 回路図を兼ねた動作説明図を示します。



 赤線が+青線が−を示します。  +から−の方向に接続されたLEDだけが点灯します。
 CRDというのは定電流ダイオードで流れる電流を一定に保ってくれます。
 大きな電流や逆方向の電流が流れてもLEDが焼き切れないようにそれぞれのLEDに同じ方向で直列に接続しておきます。

 VRは可変抵抗(ボリューム)でLEDの明るさの調整用に付つけました。(レールから電気を供給しているため列車のスピードで明るさが変わるため)
 列車をゆっくりは走らせるならなくても構わないと思います。



 ハンダ付けはLEDの裏側の端子にします。黄緑のLEDのカソード(-側)と赤のLEDのアノード(+側)のそれぞれの端子を直接ハンダ付けします。
 そこにポリウレタン線を一本ハンダ付けします。
 外側の端子(黄緑のLEDのアノードと赤のLEDのカソード)にそれぞポリウレタン線を一本づつハンダ付けします。
 全部で三本のポリウレタン線がハンダ付けされます。



 黒いプラ板(なけれぱ厚紙)で信号灯の本体を作成します。
 縦長長方形(角丸)にカットしてハンダ付けしたLEDのレンズの間隔合わせてレンズの大きさの穴を二つ開けます。
 そこにLEDのレンズを入れてLEDと本体を多機能ボンド(透明)で接着します。

 支柱は手持ちのアルミパイプを使用しました。
 パイプに三本のポリウレタン線を通します。
 本体と支柱は接着しなくてもくっ付くようにポリウレタン線を整形すれば大丈夫です。
 支柱は白く着色して設置部には黒のリード線の皮膜を被せました。
 これをベースに開けた穴に固定(接着)します。

サウンドユニットの設置

 サウンドユニットは鉄道模型少年時代の33号に付属していたものを使いました。
 サウンドユニットはTOMYTECのジオコレ
サウンドユニットAというのが市販されています。
 スピーカーはベースの前面に貼れるよう直径26mmのものを使いました。
 スピーカーが大きい場合は上向きに取り付けても構わないと思います。



 前面の側板に3mm程度の穴を開け、裏側にスピーカーをビニルテープで貼り付けます。

 サウンドユニットは若干の改造が必要です。



 前回の改造の時は踏み切りの警告音を使ったのですが今度は発車音を使うためリード線のハンダ付けを赤矢印の所に移動しました。
 二本のリード線はリレーのCOMとNCまたはNOに接続してください。どちらにつなぐかでサウンドの開始のタイミングが変わります。
 今回は途中の「出発進行」と同時にホームから出発するようにNC側に接続してホームに向かう時にスタートがかかるようにしています。
 またスピーカーとの接続の途中に可変抵抗(ボリューム)を入れて音量を調整できるようにしています。

 リレーのCOMとNCまたはNOにはオープン時に電圧がかかります。
 サウンドユニットのリード線を直接つなぐとサウンドユニットが壊れてしまいます。
 リレー等を一段入れてください。  詳しくはこちらを参照してください。



 サウンドユニットをベースの裏側に両面テープ(超強力=厚みのある)で貼り付けて完成です。

アクリルケースの作成

 アクリルケースはいつもの
はざい屋さんでカットしてもらっています。
 今回は2mmの押し出しでやってみました。
 いつもは3mmのものを使うのですが今回はケース自体が小振りなので2mmでも十分だと思います。
 アクリルカッターで自分でカットしてもいいのですが、アクリルケースの出来はカットと接着で決まる(というかこれだけ)のでせめてカットだけはきれいにしたいと思います。
 1カット80円(2カット分は無料)で行ってくれるので今回のカット代は240円で済みました。
 なお材料費は300×450のものが一枚で済みますので400円でした。(レイアウト幅450mmがここでも意味を持ちます)
 参考に板取り図を記載しておきます。



 カット部分は4mmのノコギリ刃分が空くのでサイズはカット後のサイズとなっています。

 接着にはアクリル接着剤を使います。  注射針のようなものが付いた注入器付きのものが便利です。

 今回やった接着の方法、割ときれいにいったので紹介します。
 まず天板の片方のはく離紙を残します、そこに一回り小さい段ボールを両面テープで貼り付けます。



 この段ボールは天板を置く時に側板と接する部分の下側に空間を作るためです。
 段ボールよりはみ出たはく離紙をまくり上げて段ボールにセロハンテープで止めます。
 はく離紙があるとその隙間にも接着剤が入り込むためはく離紙をまくり上げておきます。

 天板を裏返して(段ボールを床に付けて)その上に側板を仮組みします。



 側板通しをマスキングテープで止めます。
 この時天板との接している所は少し開けておきます。
 写真ではテープを縦に貼ってしまいましたが横に何本か貼った方がしっかりとまるのでいいと思います。
 なお写真はセロハンテープが写っていますがセロハンテープだとはがした時、跡が付くのでマスキングテープのような粘着力の弱いものの方がいいと思います。
 側板と天板は接着剤が入り込まないようテープでは止めません。
 天板にはただ置くだけですが、側板とズレないように正確に置いてください。

 準備が出来たら天板との接着部にアクリル接着剤を流し込んでいきます。



 アクリル接着剤は毛細管現象で勝手に隙間に入り込みますので軽く垂らして針をゆっくり動かしていきます。

 全ての側板との接着が終わったら、接着が完了(5分位)してから側板のテープをはがしてください。
 同じ要領で側板通しの接着面にアクリル接着剤を流し込んでください。
 ケースを寝かせて机の端で接着面の下に空間を作って接着する方がやりやすいです。



 もしアクリル接着剤が接着面以外に付いてしまってもあわてて拭き取らないでください。
 拭くと余計汚くなってしまいます。  少し跡が付きますがそのままにしておいた方が良いと思います。
 注入器を移動させる時は注入器の先をケースの角(接着面)に付けたまま移動させた方が接着剤が垂れても被害は最小限に抑えられます。



 コツさえつかめば意外と簡単に接着することが出来ます。
 今回のケースは小さくて扱いやすく材料費もそれほどかからないのでアクリル接着の練習にはもってこいかも知れません。

 アクリルケースをレイアウトに固定するため零戦のアクリルケースの時使ったベニア板の端に付けるモールの残りをレイアウトの前後に貼り付けました。



 ケースと現物合わせでモールの長さと位置を決定します。
 モールは両面テープ(強力)でベースの前後に貼り付けます。
 今回のケースは奥行きがあまりないので枠にしなくても前後のだけでガッチリと固定されるようです。
 なおモールでなくてもベースで余っている塩ビ板を細長くカットしたものを使っても良いと思います。

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