バスコレ走行システムを制御するその1
2011年3月31日


 先日TOMYTECより「バスコレ走行システム」が発売されました。
 Nゲージのバスを道路に埋め込まれた針金を磁石で追従させレイアウトを走行させるシステムです。
 ただ走行するだけでなく磁力センサーで道路に埋められた磁石を検知して停止、発進やスピードなどを制御させる事もできます。
 実によくできていますが磁石によるコントロールはすべて手動で行わなければなりません。コントローラで制御するという鉄道模型の魅力に少し欠けます。
 また最終的にはコンピュータで制御したいので何とか電気で制御する必要があります。





 上の写真がバスを制御するパーツです。
 赤い丸の磁石がバスの磁力センサーに近づくとバスが停止するようです。
 青い丸の磁石は停止した後、10秒後に発信させるためのもので今回の制御では使いません。
 下の部分のつまみをスライドさせて磁石をバスに近づけたり遠ざけたりしてバスを制御します。
 STOPの状態の位置に磁石があるとバスが停止します。
 GOの状態の位置に磁石があるとバスは停止せず通過します。
 STOPで停止した状態でGOに切り替えて磁石を遠ざけるとバスは発進します。
 この仕組みを理解した上でバスを制御します。

 まず磁石の代わりに電磁石を使って制御する方法を考えてみました。
 これなら電磁石を固定したまま電流をON/OFFすれば磁石を近づけたり遠ざけたりするのと同じ効果があるのではと考えました。



 まず目を付けたのがNゲージのポイント用ソレノイドです。
 この厚さならそのまま走行システムの道路に収まりそうです。

 しかし電圧をどんどん上げていってもバスは一向に反応しません。
 6Vをかけたところでソレノイドが熱くなってきたので断念しました。
 6Vだとドライバー近づけるとそれなりにくっつきますが磁力が弱いようです。
 短時間で熱を帯びてしまうのでこれでは実際に使い物になりません。



 次に目を付けたのが模型用モーターです。  これも電圧をどんどん上げていってもバスは一向に反応しません。
 またこちらは大分大きいので道路に収まりません。

 大型の電磁石を使えばバスは反応するでしょうがサイズが大きくなってしまい道路に設置するのが難しくなってしまいます。
 結局電磁石を使った方法は諦めました。

 次に考えたのがオリジナルのパーツを使って制御する方法です。  これなら確実に動作するでしょう。
 問題はどうやってパーツのつまみを動かすかです。
 以前遮断機を動かしたメカニズムを使えばクランクでつまみを動かすことができそうです。
 しかしメカの部分が大きくなってしまうのであまり乗り気にはなりません。

 どうも八方ふさがりになってしまい辺りを見回すと先ほどのNゲージのポイント用のソレノイドが目に留まりました。
 上の写真の2つのソレノイドの間に小さな磁石があり電流の向きでS/N極を反転させて磁石を左右に動かしその動きでポイントを切り替える仕組みです。
 これならソレノイドの磁力に反応しなくても真ん中の磁石に反応してくれるのではないかと考えました。
 結果はまだ磁力が弱すぎてバスは反応しませんでした。

 しかしこれで諦めてはいけません。大分前に昭和の鉄道模型でやった方法でもっと強い磁石を動かす事にしました。
 冷蔵庫におあつらえ向きのものがありました。



 メモフォルダーです裏に3つ磁石(直径7mm)が埋め込まれていました。小さくても強力なのでネオジム磁石だと思います。



 これをポイント駆動装置の稼動部分両面テープで貼り付けます。
 これを裏返して磁石が上を向くように道路の裏に両面テープで貼り付けます。



 次に実験用の道路を作ります。  毎度お馴染みの少年時代の梱包材に手持ちのステンレスの針金(0.5mm)を真ん中にセロテープで貼ります。



 オリジナルは停留場に幅寄せするように針金を埋めてありますが今回は実験なのでストレートに貼りました。
 ポイント駆動装置を置く場所ですがオリジナルの停止装置の磁石の位置を参考に適当な所に両面テープで貼り付けておきます。
 ポイント駆動装置を停止位置側にセットしておいて実際にバスを走らせて停止するように微調整します。



 今回はポイント駆動装置の底面を道路面に貼り付けていますので上面が開いているので蓋を両面テープで貼り付けてあります。
 実際にバスコレ走行システムに組み込む時は上面を道路裏に貼り付けるつもりです。
 ポイント駆動装置はコントローラにつないでポイント切り替えスイッチで制御します。



 ポイント切り替えスイッチを上側にしておくと磁石の位置に来るとバスは停止します。
 ポイント切り替えスイッチを下側に切り替えるとバスは発進します。
 何回か繰り返したのですが確実に停止、発進するようです。



 次に今回の装置を使って進路変更ができないかと考えました。
 道路の裏に仕込んだ針金の分岐点に先ほどの装置を置いて磁石を左右に切り替える事によってどちらかの針金に誘導されるようにします。



 まず先ほどの実験のように磁石を道路の裏にくっつけてやってみました。
 磁力が強いようで磁石の位置でバスが止まってしまいました。  また磁力センサーも働いてしまうようです。



 そこで磁石を稼動部の反対側に貼り付けて磁石と道路面を遠ざけてみました。  また磁石が必要以上に近づかないように道路面との間に補強材一枚分の厚さのものを貼り付けました。
 稼動部分がスムーズに動くように稼動部と接触する部分の剥離紙はそのままにしています。
 なおバスのステアリング部の磁石と反発しないS/N極の面を道路面に向ける必要があるので実際にバスの磁石で試してください。
 停止発進の実験と同様、ポイント駆動装置はコントローラにつないでポイント切り替えスイッチで制御します



 ポイント切り替えスイッチを上側にするとバスは進行方向右側の針金に誘導されます。
 ポイント切り替えスイッチを下側にするとバスは進行方向左側の針金に誘導されます。

 今回の実験の動画です。停止発進の制御と進行方向の制御をまたそれぞれのポイント駆動装置の動きを編集してあります。

     



 最初、電磁石方式にこだわってうまく行かずに挫折する所でした。
 ポイント駆動装置で磁石を動かしたところ事の他うまく行きました。
 当初考えていなかった進行方向の制御まで行うことができました。
 次回はバスコレ走行システムに今回の駆動装置を組み込む予定です。(TO BE CONTINUE)

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