トレインスコープ・モドキ
2008年9月14日


 前から気になっていたものがあります。大容量メモリが安くなり、これに伴いデジタルビデオカメラはどんどん小型化が進んできました。従来のようにテープやディスクに書き込まないのでメカの部分が要らないので安く手に入るようになりました。
 これをトレインスコープ代わりに使えるんじゃないかと思っていました。
 携帯電話の動画撮影は当たり前になっていますがまだこのサイズじゃNゲージに積むのは無理があります。
 こんなものがありました大きさは72mm x 22mm x 15mm でちょっと幅が広いですがほぼNゲージの車両サイズです。
 これより小さいのもいくつかあるようですが撮像素子1/4インチCMOSになってしまい画像も176 x 144で15fpsになってしまいます。
 ちなみにMDV150は320 x 240で25fpsです。本当はVGA(640x480)で標準レート(30fps)は欲しい所ですが大分大きくなってしまいます。


 カメラを積む台車は昭和の鉄道模型を作るの第1巻付属の台車(鉄道コレクションの走行パーツの車輪に変更)を使いました。
 まずはカメラをそのまま搭載します。上向きに搭載すると天井しか映らないので横置きにします。客車の車窓から外を見たようになります。


 動力車にはなるべく低速で走行するように重量のあるKATOのEF66(かなりの年代物、中間の台車は取っています)を使っています。客車からの映像なので動力車はカメラ車を牽引するようにします。(この方が走行が安定する)


 カメラが横向きなのでそのままだと画像も横向きになってしまいます。  Quick Time Playerにはビデオトラックのビジュアル設定で画像を変換する機能があります。これで画像を90°回転させてください。
 ビデオトラックのビジュアル設定はQuick Time Playerのウィンドウメニュのムービーのプロパティを表示コマンドでプロパティダイアログを表示させてビデオトラックを選択すると行えます。
 カメラ横置きの動画(YouTube)
     

 トレインスコープといえば運転席からの映像です。MDV150で正面からの画像を撮るには下のように取り付ける必要があります。しかしこれでは不安定でまた高くなるので既存のレイアウトでは走行不能です。


 そこでちょっとした細工をカメラに施します。レンズの正面に斜め45°に鏡を置くことでレンズを上向きにしても列車進行方向の絵が撮れるはずです。

 まず鏡ですが丁度手頃なサイズ(幅1.5cm位)のものは簡単に手に入りません。
 そこで100円ショップで女性用コンパクトを買ってきてその鏡を適当な大きさにカットする事にしました。
 ガラスを切るといえばガラスカッターですが安いものでも2000円くらいします。私はあまりガラス加工をしないので買ってもこれから使わないのでちょっともったいないです。


 ガラス用のヤスリなら安く手に入ります。チタンコートでダイヤをちりばめてあって見るからに高そうですが399円でした。これなら今回限りでも高くないですし、また金属加工にも使えそうです。


 これでガラスを10mm x 14mmにカットしました。ちょっと長方形になっていませんがまあ大勢に影響はないでしょう。
 10mmというのは、架線までの高さ−台車の高さ−カメラの厚みで求めた値です。
 これをカメラに取り付けるために45°に切ったプリペイドカードのカバーを作成し両面テープで鏡を貼り付けました。


 これをセロファンテープでカメラに取り付けます。続けてカメラを台車に取り付けます。これもセロファンテープで台車に貼り付けますがカメラのLEDを確認するために簡単に取り外せるようにしておきます。


 動力車は横置きと同様にEF66で行いました。運転席からの画像なので動力車はカメラ車を牽引ではなく押して進むようにします。


 一度、鏡で反射させているのでそのままだと画像の左右が逆になってしまいます。  前回90°回転させた時と同様にQuick Time Playerのビデオトラックのビジュアル設定で左右反転させてください。
 実際の動画は次回のトレインスコープモドキ2を参照してください。



 運転席の画像は苦労した割りにちょっと殺風景な風景になってしまいました。レイアウトの中心側にカメラを向けられればもう少しストラクチャーが映り込むと思います。しかし鏡を使っているので角度をつけると画像が傾いてしまうので今回のやり方では無理があります。
 また通常のトレインスコープと比べるとリアルタイムで画像を表示できないのでライブで車載カメラの画像が表示できないのが最大の弱点です。
 本格的なトレインビューを楽しむなら専用のトレインスコープを設置する事をお勧めします。
 今回の実験の目的は既成のデジタルビデオカメラをトレインスコープ代わりに使えるかどうかで、それなりの画像が撮れた事を報告します。
 なお動力車を極限まで低速にしましたが実際に映像を見てみるとかなりのスピードが出ています。そのため動画のWMVファイルは再生速度を半分に変換しています。

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