高度な設定

・カメラの設定
 NATOCはカメラの画面サイズは320×240、フレームレート30FPSで位置検出するように設計されています。
 プログラム起動時にこの画面サイズに自動設定しますが場合よっては画面サイズやフレームレートを任意に変えることができます。


 画面サイズを変更した場合は次回の起動時から変更したサイズに設定されます。
 なお画面サイズを大きくすると位置検出の解析に時間がかかりますので処理速度の遅いコンピュータでは画面サイズを大きくしないでください。


・現在時刻設定
 プログラムのアラームコマンドは、現在の時間が設定した時刻になると動き出します。  任意の時間にプログラムを実行して、アラームコマンドを動かしたい場合は設定メニュの現在時刻設定を行います。
 自動運転に切り替えた時に現在時刻をこのセットした値にします。  設定した現在時刻はプログラムファイルに保存されますのでプログラムファイルを開けば自動運転開始時の時刻は設定した値になります。
 実際の時間(コンピュータの時刻)を使う場合は現在時刻設定で「実際の時刻で行う」をチェックしてOKボタンを押してください。

 サンプルプログラムの「8時ちょうどの」は、プログラムのアラーム設定が8時ちょうどに設定(上図左)されていて現在時刻設定が7時59分で設定(上図右)されていますので自動運転を開始して1分後に駅から出発します。


・列車表示設定
 レイアウト上に。表示される列車は必要に応じて変更する事ができます。  列車表示設定は設定メニュの列車表示設定コマンドで行います。  列車表示設定コマンドを実行すると下記のダイアログが表示されます。


 通常は写真で表示されますが、写真の場合、列車の角度変更の処理に時間がかかり、PCに負荷をかけてしまいます。(複数両の表示はかなり負荷がかかります)  列車の位置検出に影響するようであれば列車の表示をグラフィック表示に変えてください。

 写真表示、グラフィック表示共に3両まで車両を編成する事ができます。  連結編成をチェックすると複数車両を連結して表示します。  グラフィック表示の場合、同じ車両図形になりますが写真の場合、違った写真を指定する事ができます。
 画像設定ボタンを押すと右のダイアログが表示されますのでどの車両を変更するのかを答えて続けて車両の写真画像ファイル(bmp)をファイルダイアログで指定してください。
 画像ファイルを指定した段階で読み込まれる画像は指定した画像に変更されますのでキャンセルボタンで列車表示設定ダイアログを閉じても適用されますので注意してください。
 なお画像ファイルが指定されていない段階でも複数車両は表示できますが全て同じ写真になります。

 サンプル画像(sample\trainフォルダ)としてC50の機関車と石炭車(それぞれ指定する必要があります)が用意されています。  また列車の写真画像は
レイアウトエディタのオプション機能を使って自分で作成する事ができます。

 グラフィック表示を選択すると列車の屋根の色を変更する事ができます。
 表示色設定ボタンを押すと右のダイアログが表示されますのでどの車両を変更するのかを答えて続けてカラーダイアログが表示されるので色を選択してください。  ここで設定された色はキャンセルボタンで列車表示設定ダイアログを閉じても適用されますので注意してください。


・標準インタフェスの設定
 パラメータ設定コマンドでNATOCのシステム値を変更する事により標準インタフェイスの設定や位置検出のパラメータをチューニングする事ができます。  設定メニュのパラメータ設定コマンドを実行すると下記のダイアログが表示されます。



 COM番号はインタフェイスが接続されているCOMポート番号でデバイスマネージャーで確認できます。
 通信速度はインタフェイスの通信速度でRBIO-2Uの場合9600を指定します。  Arduinoを使ったインタフェイスの場合は115200を指定します。
 応答待ちはインタフェイスからの応答を待つかどうかの指定です。  RBIO-2Uの場合はチェックを付けArduinoを使ったインタフェイスの場合はチェックなしで指定してください。  RBIO-2Uの場合、ポイントを連続して切替ると誤動作するのでこれを付けて抑制します。

・パラメータ設定
 パラメータの設定はカメラ映像を見ながらスピンボタンを上下させて行う事ができます。  表示モードを重心点にして列車位置の表示カーソルを確認しながら行ってください。

 位置検出感度は位置検出の感度のパラメータです。  列車の位置を示すポイントがちらつく時は位置検出感度を小さくして感度を下げてください。  逆に列車の動きにポイントが追従しない時は位置検出感度を大きくして感度を上げてください。

 位置検出間隔は位置検出のフレーム間隔のパラメータです。  通常は毎フレーム、位置検出を行うように1のままにしておいてください。
 コンピュータの処理能力が低い場合はこの値を大きくして位置検出による負荷を減らすことができます。  ただしその場合は、検出される位置の間隔が粗くなってしまいますので注意してください。

 除外領域処理を行うは除外領域が設定されている場合、その領域を除外して列車の位置検出を行います。  鉄道模型少年時代の場合、踏切の警報機が点滅するため除外領域が定義されています。
 しかし実際は警報機が点滅しても位置検出にはあまり影響しませんのでこのチェックを外しても問題ありません。  また角度補正を行う際に実際の警報器の位置とこの領域が一致しない場合はこのチェックを外しておいてください。

 擬似パルス幅変調で速度制御を行うは列車の速度の制御を行う設定です。  通常はチェックをオフのままにしておいてください。
 擬似パルス幅変調で速度制御を行うにはI/Oコントローラの接続変更が必要です。  詳しくは
こちらのページをご覧ください。

 通過点認識はプログラムで列車の位置による制御を行う時にその位置の範囲を定義します。
 列車は必ずしもプログラムで設定した座標を通過するとは限りません。  列車の現在位置(赤い十字)とプログラムで定義した座標の距離がこの値以内であればプログラムで定義した位置とみなします。
 この値の単位はレイアウト上でのピクセル(レイアウトは640x480)です。  従ってカメラの解像度のピクセルとは異なります。
 この値を小さくするとより正確な位置で制御できますが、あまり小さいと列車が通過した事を見逃してしまいます。
 通過点チェックはレイアウトの中央下の線路上の座標に対して列車の位置がこの許容範囲内にあったフレームの数をカウントした値を表示します。
 列車がこの位置を通過した時に少なくとも2以上カウントアップするように許容範囲を設定してください。
 またカメラ画像には通過点チェックの対象の座標を中心に許容範囲を赤い円で表示します。



 列車の走行停止はこのダイアログの列車走行ボタンからでも行えます。  通過点チェックや検出感度の設定時に列車を走行させる必要がある場合に使用します。  もう一度このボタンを押すと列車は停止します。

 遮断機通電時間は電動遮断機をポイント制御で行う時、遮断機の開閉のためにモーターに電気を流す時間を設定します。
 1/10秒単位で指定します。例えば5だと0.5秒電気を流します。  この時間が短いと遮断機が完全に開閉されません。  また長いとモーターが必要以上に回転し続けます。  ちょうど開閉し終わるように調整してください。
 制御領域機能を使って列車を動かして遮断機の開閉を行いながらこのパラメータを変更すると実際の遮断機の動作を見ながら調整する事ができます。

 ホーム停止位置調整値はホームの停止位置を補正するパラメータです。  実際の車両の場合、惰性で指定した停止位置よりずれて停まってしまいます。そのためこの値で実際の停止位置より手前で列車を制御します。  この値が大きいほど早めに制御します。
 この値も列車を走らせながら変更する事ができます。  列車をホームで止めるようなプログラムを実行しながらこの値を調整する事ができます。

 列車の進行方向反転時に制御ポイントの処理を行うは、制御ポイントによるレイアウト制御を行っている場合、途中で列車の進行方向が逆転しても自動的に必要なレイアウト制御を行う機能です。
 例えば列車が踏切を通過後、遮断機が上がってから遮断機を下ろす制御ポイントの手前で進行方向が反転した場合、再び踏切を通過するため遮断機を下ろす必要があります。
 反転時の踏切の制御をプログラムで行う場合はチェックを外してこの機能を行わないようにします。
 なお反転した位置が踏切に近い場合はこの機能を使っても遮断機の開閉が間に合わない場合があります。

 標準戻すボタンはこのダイアログの値をすべて標準の値(推奨値)に戻すボタンです。このボタンを押してからOKボタンを押すとすべての値が標準に戻ります。


・連続実行の設定
 
プログラムを連続実行させる場合のプログラムのフォルダ等を指定します。  設定メニュの連続実行設定コマンドを実行すると下記のダイアログが表示されます。



 参照ボタンを押してプログラムが保存されているフォルダを指定します。  フォルダのパスは直接エディットボックスで指定する事もできます。
 プログラムの連続実行を行うとこのフォルダのプログラムをすべて実行します。

 プログラムを実行する順番を指定します。  名前の順番に実行を指定すると名前順に実行します。  ランダムに実行を指定すると順番がランダムに並べ替えられます。

 繰り返し実行をチェックするとフォルダのプログラムをすべて実行するとまた最初のプログラムから実行します。
 この時ランダムにしてあると再度実行順序がランダムに並べ替えられます。


・I/Oコントローラの設定
 設定ファイルoption.iniの次の値をメモ帳等のテキストエディタで変更する事によりI/Oコントローラの動作を変更する事ができます。  なお設定ファイルの変更は自己責任において行ってください。
[USB]
POINT_TIME1=1
POINT_TIME2=1
POINT_TIME3=1
POINT_TIME4=1
RELAY_ID=01234567890

 POINT_TIME1〜POINT_TIME4はポイント1〜ポイント4の通電時間です。  0.1秒単位で指定します。(1の場合は0.1秒)この値を大きくするとポイントに電気が流れる時間が長くなりますのでポイントを確実に切り替える事ができます。  ただしあまり長い時間ポイントに電流を流すとポイントが破損する事がありますので自己責任において行っていください。

 RELAY_IDは実際に接続されているリレーのID(0〜9)順番です。
 最初の2つは列車の制御用リレーでそれに続く4つはポイント1とポイント2のリレーIDです。  後半の4つはオプション出力またはポイント3とポイント4のリレーIDです。
 リレーの故障などで他のリレーに変更する場合はこの順番を変更してください。


・バージョンアップ時のデータ移行
 パラメータ設定コマンド等で設定したデータは、バージョンアップ時に上書きされるので次のファイルのバックアップを取っておきバージョンアップ後に元に戻してください。  バックアップはファイル毎やフォルダーのコピーコマンドで行ってください。
ファイル名 データ内容 補足説明
option.ini 設定ファイル キャリブレーションファイル名、プログラムファイル名、
サウンドファイル名、パラメータ設定値
layout レイアウトデータ レイアウトエディタで変更している場合のみバックアップが必要
layoutgen レイアウトエディタ
編集データ
レイアウトエディタで編集中のデータフォルダ
バージョンアップ後フォルダごとバックアップに置き換える


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