SL鉄道模型転車台電動化(レイアウト設置編)
2013年2月9日
2013年2月10,11日,25日,3月7日改訂


 いよいよSL鉄道模型の転車台を電動化してレイアウトに設置します。
 今まで行って来た実験のようにロボゼロのサーボモーター(Futaba RS306MD)で制御します。

 ロボゼロのサーボモーターは、デアゴスティーニの週刊ロボゼロのバックナンバーで購入できます。
 サーボモーターが付いている号は何号かありますがレイアウトに設置するのになるべくリード線の長いものがいいと思います。
 サーボの型番の最後が-DHのものが一番長いのこれを購入してください。
 私はいつも70号を購入しています。

 後日違う方法でサーボを取り付けていますのでこちらも参照してください。



 青い線がサーボの位置、緑の円がサーボの稼働範囲を示します。
 このサーボの稼働範囲は-150°〜150°で暗い部分が稼働できない範囲でこの部分に線路がこないように設置する必要があります。
 なお180°反転できるようにするので線路と反対側の車止めの部分にも稼働させる必要があります。
 写真で暗く示したように15°×5ブロック=75°の空きブロックを非稼働範囲になるようにします。
 従ってサーボが原点に来た時、写真のよう主桁が上側の真ん中の空きブロックの位置になるように調整します。

 サーボモーターの設置はレイアウトに対して水平にするかまたは垂直にするか二通りの方法が考えられます。
 垂直にする場合はスペースの関係でサーボ軸を上にする必要があります。
 またレイアウトに対して斜めに設置しても構いませんがスペースを有効活用する上で水平か垂直の方がいいと思います。

 後で説明しますが垂直にした方がサーボの固定は簡単です。
 水平だとパネルの壁まで7mmしかスペースがありませんので縦方向にサーボの固定バンドを設置できません。
 反面水平の場合、このスペースに板(7mm厚)を置くとパネルの壁に固定する事ができます。
 転車台を正確な位置に止めるためにはサーボ自体の回転を極力押さえる必要があります。
 その点水平設置の場合、壁に固定するためより回転を押さえられると思います。
 またバンドを縦に固定する場合長いネジを使うとレイアウトの表面に突き出てしまいます。
 こういった点を考慮すると私がやったように水平に置く方法をお勧めします。

 また水平の場合レイアウトパネルをつなげるネジと干渉してしまいます。
 これを極力小さくするためにサーボ軸は左側(外に近い方)にしました。



 それでは実際の電動化の手順を説明していきます。
 まず49号で配布された主桁の中心にサーボ軸に固定するための2mmのビス穴を開けます。
 この作業は重要で中心に開けないとサーボがスムーズにを回転できなくなってしまいます。
 私がやった方法を紹介します。



 主桁の中心の突起の内側の内径がちょうど5mmなので5mmのドリルを中心に当て傷を付けます。
 この時突起の壁が削られないようにドリルは刃と逆の方向に回転させてください。



 次にこの傷を目印にピンバイスで2mmの穴を空ける訳ですが、いきなり2mmのドリルを使わずになるべく細いドリルで下穴を開けます。
 開けたらドリルを軸として主桁を回転させて正確に中心になっているかを確かめてください。
 こうやってドリルの太さを徐々に太くして行き最後に2mmのドリルでビス穴を開けます。
 他にもっといい方法があるも知れませんが正確に開けるよう工夫してみてください。
 また多少ずれてしまってもこの穴を少し大きくすればサーボ軸の中心で固定する事ができます。



 ビス穴とは別になるべく細いドリルで上の図の赤い部分に2ヶ所穴を開けておきます。
 後で説明する主桁とサーボを固定するためのピアノ線を通すための目印にするための穴です。
 主桁の中心部の突起内側の壁際の位置に左右(主桁を横に置いた場合)2ヶ所です。
 なお今回主桁のみの状態で行っていますがこの作業は主桁を転車台本体に取り付けた後で行っても構いません。

 次にサーボの設置位置をレイアウトに書いておきます。
 サーボを転車台に取り付けた後だとこの作業がやりにくくなるためこの段階でやっておきます。



 転車台をレイアウトに設置して先ほど開けたビス穴を使ってレイアウトに2mmの穴を開けます。
 この穴をサーボ軸が通る大きさ(約6mm)まで広げます。



 実際にサーボをこの穴に差し込んでサーボを型にシャープペンシル等で位置を描きます。

 次にレイアウトにサーボ穴を開けます。
 先程シャープペンシルで描いた線に沿ってカッターでボードに穴を開けていきます。



 まず表面のスチレンボードの部分だけ切り抜きます。
 くりぬいた部分にサーボを入れてみて位置が正しいか確認します。



 なるべく隙間がないように開けるため最初は小さめに開けておいてサーボを差し込みながら穴をカッターで広げていきます。
 穴が大きくなっらヤリスを使って穴を広げていきます。
 サーボが差し込めるようになったら穴あけは完了です。



 次にサーボの転車台への取り付け方法を説明します。



 上の図の茶色の部分が主桁、緑が転車台本体を示します。
 その他のパーツが取り付けに必要となるものです。
 サーボとの接続はサーボホーン(図の黒い部分)を使います。
 サーボホーンはこの
サーボ専用のものが市販されていますからそれを購入してください。
 灰色で示したパーツは2mmのビスとそのワッシャーです。
 サーボ専用のネジも市販されていますがそれだと長さが足りないので10mmのものを使いました。
 黄色で示したので主桁とサーボを固定するためのピアノ線(鋼鉄針金)で先ほど主桁に開けた2ヶ所の穴の位置に通します。

 青い部分が主桁とサーボのジョイント用のパーツで自作する必要があります。
 今回は模型用の5mmの透明プラパイプを使いましたが5mmのプラ棒を使った方がいいと思います。



 主桁に差し込んだ時の転車台の裏面までの長さが2mmですが2mm丁度で作成するとサーボホーンが裏面とぴったりになって動きにくくなるので少し遊びを作ってやります。
 2mm厚の板にボール紙を重ねてボール紙の分を遊びにします。
 重ねたものに5mmの穴を開けてそれにプラ材を差し込んで2mm+αの位置をカッターで切断します。
 厚板に差し込んだまま切断面をヤリスで削ります。  なるべく板と平らになるように削ってください。
 サーボホーンとの接触面はなるべく平らな面を使いたいのでプラ棒の端の面(最初からカットされている面)を合わせてください。
 通常のプラ棒を使った場合は中心に2mmのビス穴を開けておいてください。

 ジョイントパーツが出来上がったらパーツを組み立てていきます。
 まずサーボ軸にサーボホーンを取り付けます。



 ここで気をつけなければいけないのはサーボホーンのビス穴に切られている部分(写真緑)が固定用のピアノ線の位置に来ないようにする事です。
 サーボをレイアウトに対して水平に設置する場合はサーボ軸の原点の印(写真緑)に対して90°の位置になるように取り付けます。
 垂直に設置する場合はサーボ軸の原点に合わせて取り付けます。

 主桁の中心に先程作成したジョイントパーツの切断した面をを差し込みます。
 反対の面にサーボホーンを合わせてビスでサーボ軸に仮止めします。
 この時点ではまだ固定用のピアノ線は差し込みません。
 またこの時はワッシャーも入れません。
 レイアウトに設置してから位置を調整しますので主桁を手で動かせる程度にビスを締めておいてください。



 次に先程開けたレイアウトのサーボ穴にサーボを差し込んみます。
 差し込む前に転車台本体にレイアウトの線路(ポイントから分岐した転車台への引き込み線)を2本接続しておきます。



 サーボとレイアウトパネルの枠の間に差し込むサーボベースを作成します。
 7mm厚のボードを100mm×25mmに切断します。
 今回は100円ショップで市販されているもの(200mm×100mmMD材として)を使いました。

 レイアウトに開いている連結穴の位置に同じ大きさの穴を開けておきます。
 レイアウト面側に両面テープを貼っておきます。
 レイアウトを連結していたボルトでは長さが足りないので長いもの(40mm)に置き換えます。



 ボルトでこのボードを連結するレイアウトベースと一緒に固定します。
 なおサーボを設置する面は蝶ネジですが干渉するので蝶ネジは反対側にします。
 また座金とサーボバンドが干渉するためサーボ側の座金も外しておきます。

 次にアルミ板でサーボの固定バンドを作製します。
 今回は0.5mm厚のものを使いました。
 この厚さだとハサミでカットができ加工が楽です。
 縦100mmの部分を20mm幅にカットします。



 サーボの形に合わせて折り曲げます。  またボート面にビス穴を開けておきます。
 なおサーボをがっちり固定するために内側に両面テープを貼ったのですメンテナンスがしにくくなるので動作チェックを終えた後にした方がいいと思います。
 サーボがガタつくようなら必要ですが水平に設置する場合は要らないかも知れません。



 ビスで留めたらサーボの設置は完了です。



 今回はコンピュータ制御ではなくリモートのスイッチ操作によりコントロールしてみます。
 サーボの制御はarduinoというマイコンボードを使用します。  今回は
こちらの機種を使用しました。
 もう少し安い機種もありますがUSBが装備されているのでプログラムを入れるのにUSBケーブル1本でそのままPCに接続できます。
 なおarduinoは日本語の開発環境が整っているのでプログラムを入れるのは簡単に行えます。
 まず配線作業を行います。



 タクトスイッチの端子をarduinoのデジタルピン8〜13に接続します。(回路図緑線と青線)
 タクトスイッチのもう片方の端子を全部接続してまとめて13ピンのとなりのGNDに接続します。(黒線)
 ひとつのタクトスイッチは転車台の反転用に使います。(青線)
 残りの5個のタクトスイッチ転車台に接続している5本の線路に対応します。(緑線)
 タクトスイッチを押すと転車台が回転して対応する線路に接続します。
 反転用のタクトスイッチを押すと反転モードになって転車台の反対側が接続するようになります。
 もう一時タクトスイッチを押すと反転モードが解除されます。
 タクトスイッチの代わりにトグルスイッチを使うとトグルスイッチの倒れている側に接続するようにできます。
 なお反転用にタクトスイッチを使う場合はプログラムを変更する必要があります

 サーボモーターはグランド(黒線)をarduinoの下側のGNDに接続します。
 サーボモーターの電源(真ん中赤線)をarduinoのGND隣の5Vに接続します。
 サーボモーターの信号線(端赤線)をarduinoのデジタルピン1に接続します。

 以下の材料を使って実装しました。

  超小型タクトスイッチ(1.5mmタイプ)×6個
  ミニICB基板
  連結ヘッダーソケット 8P
  QIケーブル8P-8P
  QIケーブル3S-3P
  QIケーブルシングルピンプラグ

 これらの部品を実装します。



 スイッチの並びは上が反転モード切替用で下が左から1番〜5番線接続スイッチです。
 番号と実際の線路の対応はこちらをご覧ください。

 スイッチ基板とarduinoは8PのQIケーブルで接続するようにしました。
 スイッチ基板に8Pの連結ヘッダーソケットをハンダ付けをしてそれに各ボタンを配線します。
 実際にレイアウトで使う場合はもっと長いリード線(LANケーブル等)で接続する必要があります。

 サーボとarduinoの接続は3S-3PのQIケーブルで行います。
 サーボはこのケーブルのソケット側に接続します。
 ケーブルのプラグ側の信号線にあたる線(橙色)をプラグに近い所で切断してシングルピンプラグに結線しておきます。
 このシングルピンプラグをarduinoのデジタルピン1に接続します。
 プラグ側で残った2本(電源線とGRD線)のプラグをarduinoの左下のコネクタの5Vと隣のGRDピン接続します。(カットした線のプラグは3Vに差し込みます)


 arduinoにプログラムを転送します。
 これらの作業はWindows PCを使って行います。
 プログラムの転送に先だってarduino関連のソフトウェアのインストール作業が必要です。
 またarduinoとWindows PCを接続するためにUSBケーブルが必要です。
 今回使うUSBケーブルはType-Bといってプリンタなどで良く使われる先が正方形のような形をしたケーブルです。



 Windows PCのソフトウェアのインストールは
こちらのサイトに分かりやすく書かれています。
 本転車台用のarduinoスケッチ(プログラム)を開いてください。
 開いたら全体を選択(マウス操作または編集メニュの全てを選択コマンド)してください。
 続いてコピー(マウス右ボタンまたは編集メニュのコピーコマンド)してください。
 次にWindows PCにインストールしたarduinoを立ち上げておいて空白の画面がある場合は編集メニューの貼付けコマンドを実行してください。



 空白の画面がない場合はファイルメニューの新規作成ファイルコマンドで空白の画面を開いてそこで貼付けコマンドを実行してください。
 後は画面の転送アイコン(上の画面の白くなっている右矢印)をクリックしてプログラムを転送してください。
 転送に先立ってUSBケーブルが接続されている事を確認してください。
 転送が終わってしばらく経つとプログラムが自動的に実行されサーボモータが原点位置に回転します。

 なお転送の前に左隣のチェックアイコンをクリックする事によってプログラムの書き間違いがないかチェックする事ができます。
 転車台の停止位置の角度を実機に合わせて変更する必要があります。
 変更は通常のキーボード操作で行えます。
 変更した時はファイルメニューの保存コマンドで保存しておくと次回から変更したものが使えます。

 一度転送したプログラムはarduinoからUSBケーブルを抜いても消えません。
 次にarduinoに電源を入れた時に自動的にプログラムは動き出します。

 プログラム転送後はUSBケーブルでパソコンにつなぐ必要がなく5VのACアダプタを使って電源が供給できます。



 中が+のコネクターでarduinoの電源に接続します。
 また電源としてはPCとUSBケーブルで接続したりUSB出力型のACアダプタとUSBケーブルで接続して電源を供給する事もできます。


 arduinoの準備ができたら主桁とサーボモーターを固定します。
 取り付けビスだけだとサーボの回転により主桁とサーボがずれていくため指定した位置で止まらなくなってしまいます。
 そのため主桁とサーボモーターにピアノ線を通してずのないように固定します。
 サーボをつないでarduinoが起動される(USBケーブルでPCに接続する)とサーボが原点に移動しますので主桁手で動かしてレイアウト上方の真ん中の空きブロックに合わせます。
 この時サーボモーターが動かないようにしてください。
 動く場合はビスをゆるめてもう一度原点を合せ直してから行ってください。

 転車台用のスケッチは回転が終わるとトルクオフをして常時電力を使わないようにしています。
 このためビスを締める時、サーボが回ってしまいますのでこちらのスケッチを使ってください。
 サーボをつないだ状態でスケッチを転送すると原点に移動してトルクオンの状態を保持します。



 主桁に開けた穴に固定用のピアノ線(鋼鉄の針金を使用)と同じ太さのドリル(0.6mmのものを使用)で穴を開けます。
 この時ドリルは貫通させずにサーボホーンの途中までの深さにします。
 ピアノ線をこの穴に差し込んで穴の深さを測定します。
 ピアノ線を引き抜いて穴の深さと同じ長さに切断します。
 ピアノ線はを差し込みにくい場合は先端をヤスリでとがらせてピンバイスを使って差し込んでください。

 2本とも差し込んだらサーボ軸に仮止めしたビスを外します。



 今度はワッシャーでピアノ線を押さえるようにしてサーボ軸をビスで止めます。
 今回はしっかりとビスを締め込んででください。



 最後に転車台の角度を実機に合わせて調整します。
 調整は実際に転車台を動かして行います。

 主桁の取り付けビスをゆるめた時に主桁がある程度動く場合は、最初に主桁を転車台に合わせておいた方が確実に稼働範囲が確保でき後の調整が楽になります。
 後で説明するtorque_offの値を一時的に0に変更しておいたものをARDUINOに転送して常にサーボにトルクをかけたままにします。
 スイッチ操作で5番(レイアウト下の引込線)に合わせます。(反転スイッチは押さないで)

 次に手で主桁の線路と引込線を確実に合わせてビスを締め付けます。
 5番線に接続させるのは、この位置でサーボが一番回転した状態になるのでこれを合わせておけば停止位置が非稼働領域になる事はありません。
 確実にビスを締め終わったらスケッチのtorque_offを元の値(1000)に戻してARDUINOに転送し直しておいてください。

 arduinoのスケッチはデジタルピン8〜12が接続線1〜5番に対応しています。
 接続線の番号はレイアウト上の引込線から転車台を時計回りで1〜5にしています。
 転車台を時計とすると時刻の順番と方向に一致しています。
 スケッチの角度は原点を0としてこの順番で設定してあります。

 1番に対応するボタンを押して転車台が止まった位置の値を変更します。

  if ((digitalRead(in1) == LOW) || (auto_mode && (stop_line == 1))) {
    if (reverse) {
      current_position = -1350; //停止位置1の反転位置設定
      reverse_offset = 0; //逆回転補正値
    }
    else {
      current_position = 450; //停止位置1の位置設定
      reverse_offset = 0; //逆回転補正値
    }
  }

 時計回り方向にずらしたい時はこの値を増やします。
 この値は角度に対応しており10で1度になります。
 転車台の1ブロックが15度なので150に相当します。  レール1本の幅が1度(10)位なのでこれを目安に微調整してください。
 スケッチの値を変更して転送してを繰り返します。

 目で見て真っすぐになったたら実際に車両を動かして脱線しない事を確認してください。

 1番の引込線が終わったら2番以降も同様の手順で行います。
 ただ1番の調整で標準の値との差が分かるので2番以降の値もこれから計算しておよその値を求ることができます。(1ブロックが15度なので時計回りの場合、ブロック当たり150加算)
 計算で求めた値を元に微調整していきます。

 サーボの特性で回転方向により停止位置が微妙にずれる事があります。
 この場合はそれぞれの逆回転の補正値で補正してください。
 設定値の設定は時計回りに回転(1番から3番)で指定して逆回転(5番から3番)の場合は補正値で補正してください。
 ちなみに私の転車台の場合、ほとんどが補正値なし(0)で済みましたが反転モードの3番と4番が補正値として-10にする必要がありました。

 5本の接続線全ての設定が終わったら今度は反転モードにして調整していきます。
 反転モードは先程設定した位置から180°回転するので1800を引けば設定値は求められるのですが実際は少しずれるようなのでそれぞれの値を設定する必要があります。

  int rotate_speed = 2000; //1周移動時間(秒×100)
  int position_offset = 0; //全体の位置の調整(+転車台が時計回り、-反時計回り)
  boolean toggle_switch = true; //反転スイッチがプッシュスイッチの場合はfalseに変更
  int torque_off = 1000; //トルクオフの延長時間(ミリ秒)トルクオフにしない場合は0に変更


 転車台の回転速度は上のrotate_speedの値を変える事で変更できます。
 速くしたい場合はこの値を小さくします。
 しかしあまりは速くすると正確な位置に停止できなくなるので注意してください。

 position_offsetは全体がずれてきた時に補正します。
 停止位置に対して転車台を時計回りに回したい時は+、反時計回りにしたい時は-で指定してください。
 最初から各停止位置の値を変更せずこの値で調整しても構いません。
 転車台が正確に動く場合は、この値のみの調整で済ませる事ができます。
 停止位置でバラつくようなら各停止位置で調整してください。

 なお転車台をしばらく稼働していると少しずれてくるようです。
 ずれてきたらサーボ軸のビスを締め直してこのposition_offsetの値で調整してください。

 反転スイッチにトグルスイッチの代わりにタクトボタンのようなプッシュスイッチを使った場合はtoggle_switchに設定値をfalseに変更してください。

 通常はサーボの回転が終わったらサーボを脱力状態にして負荷をかけないようにしていますがサーボの電圧が低い場合は回転速度が遅くなり停止位置に到達する前に脱力状態になる事があります。
 そのような場合は下のtorque_offを大きくするか0(常時トルクオン)にしてください。



 実際に動作させた動画です。

     

 今まで転車台の実験を自家製の転車台を作ってで行っていましたがちゃんとした転車台を使う事でより正確に動かす事ができました。
 今回は手動操作で転車台を動かしましたが次回はNATOCを使ってコンピュータ制御で転車台を動かしてみたいと思います。
 なお今回のような改造を行うと転車台を破損してしまったり動作不良になる場合がありますのであくまでも自己責任という事でお願いします。



 手電動化とは直接関係ありませんが本体の制作で気になった点がふたつあったので改良しました。

 制作マニュアルの49号で転車台の電源フィーダーの穴を開ける指示がありましたが。  転車台の外側なので穴が結構目立ってしまいます。
 そこで転車台の内側2.5mmの位置に開けました。



 もう少し内側でも良かったかも知れません。
 既にベース板に開けてある転車台用の穴とずれてしまうのでベース板にも穴を開ける必要がありますがあまり目立たなくする事ができます。

 転車台本体が接続線と通電する機能は便利なのですが逆に本線と接続した時に本線側から転車台に電源が供給されてしまいます。
 従って転車台本体が本線に接続していると転車台電源を切っても転車台で車両は動き続けます。
 この仕様だとNATOCの自動運転で自動的に転車台で停止させる機能が使えなくなるので改良しました。



 まず本線のブロックを2つ外します。
 本体の基板の接点をセロテープで絶縁します。(写真だとちょっと分かりづらいですが)
 ビス穴の部分には穴を開けておきます。
 この時セロテープが基板をはみ出さないようにしてください。(転車台の回転を妨げるので)
 転車台の電源を切っておけばちゃんと転車台で停止するようになりました。

 後日電動転車台をいろいろ使ってみて本線との通電は全く必要ないという事が分かりました。
 テープだけでの絶縁では後々不安なので完全に絶縁しておく事にしました。



 転車台本体と通電させるためのブラシは主桁と同じ部品が使われているようです。
 このブラシを主桁に転用できるかと思い取り外す事にしました。
 しかしジョイナーのない方(写真縦方向)のブラシはレールを固定する役目もあるようで取り外すとレールが抜けるようになりました。
 取り外したブラシを使用しない場合は、取り外さずに根元から切断した方がよさそうです。

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