こんな事でテレビが映るかの実験その1
2010年6月5日
講談社の「鉄道模型少年時代」のレイアウトにぜひ入れたかったのがテレビです。
テレビは私の生まれる前の年に放送が開始されました。子供の頃はテレビの創生期で子供向けのヒーローものの走りがいくつかありました。中でも月光仮面は当時の子供達の絶大な人気を博していてもちろん私も夢中になっていました。
テレビは私の少年時代の必須アイテムでテレビなくしてはこのレイアウトは完成しません。
しかし一言でテレビといってもNゲージサイズのテレビに映像を映すにはちょっと無謀とも思える試みです。
当時は14インチの白黒テレビが主流でNゲージ換算すると約0.1インチになります。こんなサイズのモニタなんか売っている訳がありません。
現在液晶テレビやパソコンで用いられている液晶ディスプレィは画素と呼ばれる単位で構成されます。
ハイビジョン場合1920×1080です。携帯電話で使われてる液晶ディスプレイでも、640×480(VGAの場合)もあります。
今回は光ファイバーを用いて携帯電話の画面に再生される画像を間引きさせる方法を考えました。
三菱レーヨンのエスカという光ファイバーが比較的安価で入手できるので0.25mm(このシリーズの最小径)のものを今回使用しました。
テレビの画面サイズですが20インチ(4:3)の画面でNゲージ換算で4mm×3mmになります。この画面に対して16本×12本の光ファイバーを敷き詰める事ができます。
当時のテレビの主流は14インチでせいぜい17インチどまりですがなるべく画素数を多くしたいのでこのサイズで行います。(19インチテレビもあったのでそんなにオーバースケールでもありません)
ちなみに16ドット12ドットのテレビで画像をみるとこんな感じ(アクティブXを使っているので許可してください)になります。
今回はこのテレビの可能性の実験なので制作方法は実際にレイアウトに置く時に詳しくレポートします。
光ファイバーは適当な長さに切って先端には100円ショッで購入した手芸用ビーズ(径2mm位)を接着しておきます。
これはベースのストッパーとより多くの光を集光できるようにレンズの役目(ちゃんとしたレンズではないのであまり効果がないかも知れませんが)をします。
これを192本作っておきます。
今回のテレビの仕組みを図解にしました。
携帯電話の液晶面を16×12分割してその中央に光ファイバーを当てて集光します。
それを16本×12本に束ねてテレビ画面とします。
普通に映った画面をこの方法で16ドット×12ドットに変換しても元の画像とあまり関係ないものになってしまいます。
そこで分割した部分が同じ明るさになるような画像を作成します。
一度16×12ドットに解像度を変換したものを320×240に戻すとこのような画像が作成できると思いますが今回は専用の変換プログラムを作ってみました。
− 6月6日追記 −
光ファイバーの先端に付けたガラスの効果で明るさが平均化されれば元の画像をそのまま映してもある程度効果が得られるかも知れません。
今後の実験で比較してみます。
元画像を映すのに使わなくなった携帯電話の動画再生機能を使います。
厚紙(少年時代の梱包材)を携帯電話に合わせて採寸してカットしておきます。
携帯電話の動画が映る部分(必ずしも液晶面と一致しないので注意)を16×12分割してその中央に針で穴を開けておきます。
192本の光ファイバーを厚紙に通してテレビの画面部分で液晶の分割面の配列通り束ねます。
画面を塞いでしまうと携帯電話が操作できないので脱着できるようしておきます。
実際に動画を携帯電話で再生してみます。白い部分がチラチラと画面に映ります。
ただ画像が元の画像と大分違うようです。
おそらくテレビ面で束ねた時にずれてしまったようです。
今回の実験の目的は液晶でもテレビとしての明るさが得られるかどうかだったのですが、その点では期待していた明るさは得られたと思います。
液晶の場合、通常のテレビのように自分で発光しないため十分な明るさが得られるかどうか心配でしたが光ファイバーの先に付けたレンズの効果かどうかわかりませんが一応この点ではパスでした。
ちなみに光ファイバーの長さは15cmにしてていますがもう少し延ばしても大丈夫なようです。
次回は今回うまくいかなかった元の画像をどれだけちゃんと再生できるかの実験です。テレビ面での光ファイバーが元の配列通りになるように束ね方を工夫する必要があります。
今回の実験で実際のNケージテレビ画面の動画(YouTube)です。
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