フェラーリのアクリルケースケース作成
2009年12月20日
2009年12月21日/24日更新


 ディアゴスティーニのエンツォ・フェラーリが完成して約1か月近く経ちますが先日全員プレゼントのディスプレイペースが送られてきたのでこれに合わせてアクリルケースを作成しました。



 アクリルケース作成は鉄道模型、ハーレーに引き続き今回が3回目です。
 いつもアクリル板をカットしたものをインターネットで注文して接着するだけです。
 しかしこの接着、きれいに仕上げるのは結構難しいです。私この接着、結構苦手でいつもどこか失敗してしまいます。
 今回は前回のハーレーと比べて少しは奇麗に仕上がった(ちょっとは進歩している)ので接着のポイントを中心にレポートします。
 ただ業者に接着を頼むこともできますのできれいな仕上がりを望まれる方はそちらをお勧めします。  私の場合見た目より値段を取りたいので(本当は自分で作りたいだけなんですが)。
 なお今回ハーレーの時の残材に大きいのがあったのでそれを天板に使いました。  そのため自分で天板は切断しましたが素人がきれいに切るのは難しく切断は業者にやってもらうのをお勧めします。(1カット114円でそれほど高くありません)


アクリル板の発注

 私はアクリル板はいつもはざい屋さんで購入しています。
 カットサイズの細かい指示ができ正確にカットしてくれます。  またカットした余り(残材)も送ってくれるので別のものにも使えて重宝しています。
 材料のアクリル板はいつも厚さ3mmの押し出しを注文しています。  アクリル板には製法が違う押し出しとキャストがありますが硬度も耐熱度も必要ないケースは安価な押し出しで十分です。また3mmでも結構ガッチリしたものが作成できます。

 材料でいつも悩むのが板取りです。いかに効率よく小さい板から材料を切り出すかです。
 あくまではざい屋さんから購入するのは規格サイズの板でそれをただカットしてもらうだけなので購入するのは小さいサイズの方が安く済みます。
 今回天板は手持ちの物を使うので購入するのは側板の4枚です。
 規格サイズは450×600,600×910,910×910とありますがケースの長さが580mmあり高さも200mmくらいは必要なので600×910を使うことにしました。
 板を4本カットすると高さが225mmになります(のこぎりシロが3mmなので(910-3×3)÷4≒225)。
 今回外寸をベースの外寸(335×580)に合わせたため長さを335mmと574mm(両サイド厚み分を引く)としました。

 しかし組み立てて分ったのですが外寸で合わせるとベースのはめこみ枠からとの隙間が2mmくらいになってしまいフィットしません。
 ケースの外寸はそれぞれ2mmマイナスの333mm×578mmでちょうどよいのではないかと思います。(前後左右に1mmの余裕)
 カットサイズの決定は業者のカッティングの精度にもよりますのであくまでも自己責任で行ってください。

 参考に910×910の板で天板込みの板取りの例を示しておきます。(実際にこれで注文した訳ではありません)



 ケースのサイズは333mm×578mm×260mm(高さはオリジナルケースと同じ)にしています。高さの増減は図の257mm(天板の厚みをマイナス)で行ってください。
 縦横はベースの外寸から2mmずつ引いています。(ベースのはめこみ枠から前後左右1mmの余裕)


アクリル板の仮組

 天板のアクリル板をアクリルカッターで切断しました。3mmのアクリル板を初めてカットしたのですが思いの他きれいにカットできました。  しかし苦労ときれいさを考えるとカットだけは業者に頼んだ方が良いと思います。
 今回注文にあたってはざい屋さんからカット面のカンナ仕上げを勧められました。  カンナ仕上げをした方が切断面がきれいになるとの事ですが、今回は天板を自分でカットしたので他の切断面だけきれいにしても仕方ないので今回はパスしました。

 アクリル板の組み立てにあたっては、保護シートをはがしておいてください。
 キズ防止に保護シートは貼ったまま作業を行いたいところですが、後で述べるように接着剤がアクリル板と保護シートの間に入り込むと悲惨な事になります。

 ベースの上に仮組をしました。数箇所ビニールテープを貼っておきます。(セロハンテープだとはがれにくく跡が残る場合があります)



 前項でも書きましたがベースの外寸に合わせたためフィット感がありません。しかし切断し直す訳にはいかないのでこのまま組み立てます。


アクリル板の接着

 アクリル板の接着にはアクリル接着剤を使用します。
 前回購入したものは使い切ったので今回新たに注文しました。  効率良くやれば1本で4,5回使用できると思います

 この接着剤は注射器のような専用器具で接着面に流し込みます。  この接着面はくっ付いていても毛細管現象で接着剤が接合面に入り込んで行きます。
 しかし逆に床など置いて作業すると隙間に接着剤が入り込んでしまいますので接着する所は浮かせておいてください。
 接着剤は2,3分で固まります。それまではアクリル板に触らないでください。少しでもずらすと接着剤の跡が残ってしまいます。



 また接着する所の仮組のテープははがしておいてください。  接着剤がテープの隙間から入り込むのを防ぐためです。



 図のようにアクリル板を垂直に立てその隙間に接着剤を注入します。  接着面には毛細管現象で接着剤が自然に入り込んでいきますので角に針を押しつけて接着剤を少量づつ押し出します。
 この時針は必ず引きながら移動させてください(押すと溶けたアクリルが入り込んで針穴が詰まるようです)。
 接着はまず側面どおしから行います。
 この時天板から数cm離れた所から接着していきます。  これは接着剤が天板との接着面に入り込むのを防ぎます。  この部分は後から接着します。



 側板どおしの接着が終わったら天板を接着します。  ここで注意しなければいけないのは容器を移動する時に接着剤をたらしてしまう事でします。
 針の先をテッシュペーパーなどで押さえてアクリル板にたれるのを防ぎます。
 天板の場合もまだ接着していない接着面に接する所は数cm離したところから接着を始めてください。(接着の終了する場所も同様)
 天板の全ての辺の接着が終わったら先ほど数cm空けていた所に接着剤を流し込みます。

 全体で接着されていない部分がない事を確認して接着は終了です。
 接着されていない部分には今までと同様にして接着剤を流し込み接着します。


ケース作成の補足

 べースのはめこみ枠と隙間ができてしまったのでこれを解消するため戸あたりテープで隙間を埋めようと思い購入しました。
 しかしケースを組み立ててみるとフィットしていませんがケースがベースからずれ落ちるような事はなさそうです。



 折角なのでケースのガタつき防止にベースのケースを乗せる部分に貼る事にしました。  今回購入したのは幅5mmの一番細いものです。  この部分の幅も5mmなのでぴったりのサイズです。
 長さも2mと今回のケースには丁度いい長さです。



 このクッションのおかげでガタつきはなくなりました。  またケースがずれる事を防いでくれ効果は抜群です。


ネームプレートの作成

 ついでにこちらも通信販売で販売しているネームプレートも作成しました。
 通信販売のカタログに実物大の写真があったのでこれを加工して作ります。

 スキャナーで読み込んで自分の名前を入れる部分をレタッチして消します。
 その他の文字もボケているので消して文字を入れ直します。
 なおカーボンの上に書いてある文字は面倒なのでそのままにしています。
 自分の名前と消した文字を入力したものをフォトペーパーに印刷します。



 ケースを作った残材のアクリル板を115mm×45mmにカットして写真のボルトの位置に4mmの穴を開けます。
 0.5mmのステンレス板(100mm幅)を横130mm、縦100mmに切断して縦の下から30mmで折り曲げます。



 今回、ちょっと豪勢(といってもそれほど高くない)にステンレス板を使いました。  しかし0.5mmとはいえとにかく固いです。切るのにも曲げるのにも苦労します。本当はもう少し折り曲げのアールを小さくしたかったのですが。
 1mmのアルミ板の方が楽でよかったかも知れません。  しかし一応ステンレスを使った事でそれなりの効果(見栄え)がありましたが。

 このステンレスにも4mmの穴を開けます。  最初はピンバイスで開けていたのですがステンレスには太刀打ちできず電動ドリルを使ってしまいました。
 写真はパインダー綴じの穴あけ器で開けるときれいに開きます。
 4mm×10mmのステンキャップというステンレスのボルト4本で写真とアクリル板をプレートに取り付けます。



 これだけだと不安定なので要らなくなったレンチを重し代わりに両面接着シートで貼りつけました。
 またガタつきをなくすクッション代わりに両面接着シートを裏に貼りつけました。(ベースに貼りつけないので片方のはくり紙はそのまま)





 プレートをアクリルケースに入れて完成です。




ネームプレートのバージョンアップ

 ネームプレートの画像にカタログをスキャンして使っていたのですがグラビア印刷のため画像品質が良くないので作り直すことにしました。
 ネットでカーボン柄の壁紙とフェラーリのロゴの画像を調達しました。エンッオさんのサインはカタログの印刷のものを切り取りました。
 スペックは白い文字で打ち込んでいます。スペックを打ち込むと勉強になります。車重の1,200kgには驚きました(私の車よりはるかに軽い)。

 ついでにアクリル板を大きくして(115mm×55mm)名前の部分も覆うようにしました。
 また裏に貼っていた両面シートの代わりにフェルトを両面テープで貼り直しました。



 これでアップにも耐えられるようになりました。



 プレート画像、苦労して作ったのでおすそ分けします。こちらをダウンロードしてください。
 名前は自分で入れてください。300DPIで印刷すると実物大で印刷できます。なお画像サイズは300DPIのL判サイズですのでL判に合わせて印刷すると実物大に近い大きさで印刷されます(プリンタのスぺックで変わりますが)


ついでにハーレーも

 ステンレス板が半分以上余っていたのでハーレーのネームプレートも作成しました。
 スペックは透明の粘着シートに印刷してステンレス板に直接貼りつけました。
 オリジナルは自分の名前をゴールド地にプリントしてあるようですが、金ピカは趣味じゃないので大理石調にしました。



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