遮断機を点滅させてみる
2009年10月8日
鉄道模型少年時代の遮断機を点滅させる実験です。
鉄道模型少年時代の遮断機をモーターで動かす事ができたので今度は警報機を点滅させてみます。
せっかく遮断機が開閉できるようになったのでこれと連動させたいものです。
遮断機をスイッチ代わりに使って点滅装置の電源のON/OFFを行います。
点滅はフリップフロップという回路を使います。フリップフロップは日本語でギッタンバッコンの意味でONとOFFを繰り返します。
フリップフロップはコンピュータの基礎となる回路で情報(0と1)をギッタンバッコンの状態として保持したり処理します。
大学で最初にやらされた実験でこの回路を作りました。(40年近く前なので今はどうか知りませんが)
パーツを揃えて作っても良いのですが点発珍というキットが発売されているのでそれを使用しました。(昭和の鉄道模型をやっている頃ハンダ付けのリハビリを兼ねて作ったもの)
材料を自分で揃えた場合はもっと安くできると思います。(付属のLEDは使用しない)
LEDユニットの作成
今回はLEDの光を直接警報機の点滅に使います。
チューブLEDという部品を見つけました。LEDにチューブを被せただけのものですが200円と割高です。
通常のLEDなら1個40円くらいで買えますので自作する事にしました。
まずユニバーサル基板を縦3列、横5列にカットします。各列は2.54mm(1/10インチなので)6.2mm×12.7mmとなります。
LEDの足を根元で90°に折り、熱収縮チューブを被せます。
熱収縮チューブは内寸3.6mmのものが丁度よい大きさのようです。長さは22.5mm(9cmを4等分)にしておきます。後からカットして微調整するので長めにしています。
基板にLEDとリード線をハンダ付けします。LEDの足は奥の列の4つの穴に差し込みます。LEDの間隔は約5mmと警報機の間隔と一致します。
熱収縮チューブにハンダゴテを当てて収縮させます。この時小さくなりすぎなすように釘などを入れておきます。
ハンダゴテについているハンダは十分落としてから行ってください。
勿論ドライヤーなど収縮させても構いませんが何ぶんセッカチなもので。
LEDに差し込んだ方の先端も収縮させてLEDが抜けないようにしておきます。
ケースの作成
メカ隠し兼ストッパー兼警報機スイッチのケースを作成します。
今回はハサミで切れる加工が楽な0.5mmのアルミ板を使用しました。
アルミ板を使用する事でそのまま警報機のスイッチの接点となります。また自由に曲げたり延ばしたりできるのでストッパーの位置調整も簡単にできます。
アルミ板をこの寸法図を元に切断します。
左側の13mmの折り線は途中(5mm)まで切り込みを入れます。これは遮断棒の下のストッパーになる所でここの角度を調整する事によって遮断棒の止まる位置が調整できます。
スイッチの接点は2〜5mmとありますが、今回は実験のため5mmと大きめにしましたが実際は2mm位で大丈夫だと思います。
穴は4ヶ所空けます。下の2箇所はケースを固定する穴で大きさは使用するビスに合わせてください。
上の2箇所はLEDユニットの熱収縮チューブが通る穴で収縮したチューブの太さに合わせてください。
寸法図の山折、谷折にしたがってケースを組み立てます。
組み立てる前にLEDユニットを先ほど開けた穴に差し込んでおいてください。この時、基盤の裏が上を向くようにしてください。
また基板とケースが接触する可能性があるのでケースの天井にはビニルテープを貼っておいてください。
ストッパーの位置調整は遮断機を取り付けてから行うのでここでは切り込みに対する谷折は45°位に曲げておいてください。
ケースの取り付け
警報機の本来の警報灯をカットしておきます。この時ただカットするのではなくLEDチューブに差し込めるように警報灯を削って差し込み口に加工しておいてください。
このような加工またはチューブの穴あけなど面倒な作業をしなくても警報機に直接チューブを接着する場合は警報灯の根元からカットしてもよいと思います。
ただしこの場合、遮断機とケースを離す事ができなくなりメンテナンスに支障が出てきます。
遮断機とケースを組み合わせていきます。LEDチューブが警報灯の位置に来るようにしてください。またギアや遮断棒がケースに当たらない事も確認してください。
LEDチューブがずれるようでしたらチューブを通す穴を大きくしたり穴を開け直して下さい。
LEDチューブの警報機の差し込み口の位置に穴を開けて差し込みます。外れないようでしたら接着する必要はありません。
穴から2mm位の位置でLEDチューブをカットします。
後でLEDを点灯させ差し込み口が気になるようでしたらカッターで差し込み口を短くしてください。
今回の方法はLEDの光をチューブを通して見ているためななめから見るとその光が見えません。
そこでチューブの内径に合わせたアクリル棒やグラスファイバーをチューブに入れて先を少し出しておけばそこが光ってななめからでも見えるようになります。
スイッチの作成
スイッチは対面の遮断機と兼用になりますのでどちらから片方だけに設けてください。
スイッチのメカニズムは金属線をケースに接触させておいてそれを遮断棒が上がった時その力で離すようにして電流をON/OFFさせます。
なるべく接触する力が強いよう堅い素材が望ましいのですが、遮断棒は摩擦材を介して回転させているため非常に力が弱く堅い素材だと動かす事ができません。
今回は通常の電源(100V)ケーブルの芯線の1本(10cm位)を使用します。
金属線はビスでレイアウトに固定しておいてください。
遮断棒が降りた状態で金属線が正面右突起の左側に接触するように金属線を加工してください。
金属線の折り曲げ部分は遮断棒が上がった時に当たってケースから離すよう遮断棒の位置に合わせて長さを調整してください。
遮断棒が奥に行っても当たるように十分な長さにしておいてください。
まず金属線を突起の右側に持ってきてケースに接触しないように金属線を曲げて角度を調整してください。
次に金属線をゆっくりと突起の左側に持ってきて接触させてください。
配線
警報機の点滅ユニットの電源のプラス側をスイッチに接続します。
ケース側のリード線をレイアウトとケースにはさみネジ止めします。
金属線側のリード線は固定ビスに巻きつけるか直接ハンダ付けします。
なお今回使用する点滅ユニットの電源電圧は9Vなので昭和の鉄道模型を作るのパワーパックのTCS出力(12V)に接続する場合は、470Ωの抵抗(LEDに付属)を直接に入れておいてください。
遮断機のモーターを含む配線図です参考にしてください。
LEDは点滅ユニットのLED出力に対面のものと並列に配線してます。
遮断機の改造補足
今回の実験に合わせて遮断機の改造も少し改良しています。
実験台を実際のレイアウトに近づけて厚さ10mmのものを使用しています。
それに伴いモーターのシャフト軸を長くする必要があります。
前回の改造ではモーターのシャフトと延長シャフトをAVケーブルの皮膜にしていましたが、回転した時に左右にぶれてしまい回転がうまく遮断機のギアに伝わりません。
そこでピニオンギアを使いジョイントします。どちらのシャフトもピニオンギアの中間まで差し込みます。
しっかりジョイントできるようになるべく長いピニオンギアが望ましいです。
またレイアウトに開けるモーター軸の穴に触れないようになるべく直径が小さいものが望ましく、触れる場合はモーター軸の穴を大きくしてください。
今回遮断棒の摩擦材として100円ショップのフェルトを使用しました。
かなり厚みがあるのでスプリングの効果があり薄いものより力が伝わりやすいのでこちらの方が良いと思います。
モーターのウォームギアと遮断棒の平ギアの噛み合わせの前後位置を調整するために遮断棒と軸受の間に2mmのナット(緑矢印)を1〜2個入れます。
勿論入れなくてもちゃんと噛み合わせる場合は必要ありません。
今後の課題
モーターむき出しの頃に比べるとメカ部分はかなりコンパクトとなったもののNゲージレイアウトに入れるとメカケースは目障りです。
踏切警手小屋なるものがあります。遮断機の上げ下げを有人でやる場合、上げ下げする人(踏切警手)が詰める小屋です。
もろちん遮断機の近くにある訳ですが、中には遮断機より線路寄りにあるものもあり今回のメカケースの位置も有りかと思います。
踏切警手小屋その1
踏切警手小屋その2
上のリンクの踏切警手小屋その2なんか結構雰囲気があってこのレイアウトにはぴったりだと思います。
実際に鉄道模型少年時代のレイアウトに入れる時はこんな感じに仕上げたいと思います。
鉄道模型少年時代には踏切のサウンドギミックもあるようなのでこのスイッチに連動させようと思っています。
まだ仕様が明確になっていないので明確になり次第実験したいと思います。
実際の動作
実際に鉄道模型を作るのパワーパックを使った点灯実験の写真です。
遮断機が開いた時と閉じた時です。
閉じた時に遮断棒が道路と平行になるようにケースのストッパーの角度を調整してください。。
遮断機の点滅実験の動画(YouTube)です。
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