SL鉄道模型転車台電動化(トラブル解決編)
2013年3月4日


 SL鉄道模型の転車台電動化をやっていて一番厄介なトラブルが転車台の主桁の接触不良です。
 最初に配布された主桁は手動での動作チェックで接続線との通電がちゃんと行われませんでした。
 主桁の線路と接続線を少しずらせば接続線に通電されます。
 しかしこの状態では線路がずれているので車両は脱線してしまいます。

 通電する範囲は各接続線で5、6°位あるので接触不良ではなく通電区間が少しずれているようです。
 私の場合、反時計回りの方向に3°くらいずれていました。



 主桁のブラシと転車台本体のパターンの関係ですが、主桁の外側のブラシが本体の外側のパターン接触して各接続線に通電するようです。
 主桁をパターンに接触させると赤丸で囲んだブラシは裏向きになるので赤線のような状態になります。
 この時長さが足りずに接続している線のパターンと接触できないのではないかと思います。



 主桁を反時計回りに回すとブラシが接続線のパターンに接触するので通電するようになります。
 ブラシの水平方向の角度を黄色のように調整すると多少改善されます。
 ブラシの角度を少なくすればX方向の距離は大きくできます。
 しかし角度が少なくし過ぎるとパターンの外にはみ出して接触できなくなってしまいます。

 調整しきれなかったので49号をもう一冊購入しました。
 今度も通電区間が反時計回りに少しずれているようですが最初の動作チェックは何とかクリアできました。
 しかし時々通電しなかったり反転(主桁を180°回転)すると主桁本体に通電しなくなったりします。
 また蒸気機関車のように電圧をかけないと動かない車両は通電しても電流が流れにくいので動かない場合があります。
 そこで今回、根本的に解決する事にしました。



 まずブラシの取り付け部を改善します。
 主桁のブラシは主桁のレールに押し付けて接触しているだけです。
 何回もブラシの角度調整をしているうちにブラシがちょっとグラグラしてきました。
 これではこの部分が接触不良になる可能性があります。
 また今は大丈夫でも長時間使っているうちに接触不良になるかも知れません。
 今のうちに予防措置を講じておきます。



 銅線でフック上のものを作ります。
 線路の外側に銅線が出るように穴を開け、このフック部をブラシの固定部に引っ掛けます。



 主桁の表は銅線をレール半分位の高さでカットしてラジオペンチでレールに強く押さえつけます。
 裏表の銅線をハンダ付けします。



 特に裏側はあまり熱を与えると主桁が溶けるので素早くハンダ付けをするのがコツです。
 表はレールの上からハンダが出ると車両の走行の邪魔になるのヤリスで削って平らにしておいてください。
 また裏側はあまりハンダが盛り上がるとパターに接触したり主桁の回転に影響しますので盛り上がっている所はヤリスで削っておいてください。
 この作業をブラシ4つ分行います。

 次に外側のブラシを延長します。
 外側のブラシの接触部は主桁の中心から約12mmの位置にあります。
 この位置で3°分長くするには12mm×sin(3°)≒0.6mmとなります。
 さきほど使った銅線を横にしてその半径分で長さをかせぐ事にします。



 ブラシの先に銅線を横にしてハンダ付けをします。



 ハンダ付けした銅線を適当な長さでカットします。
 銅線を横に取り付けているため銅線の側面がパターンに接触してパターンを傷付けません。
 この作業を外側のブラシ2つ分行います。

 作業が終了した所で通電区間を確かめてみます。



 真ん中の待避線で通電開始から終了の位置です。
 レールの幅が約1°位なので左方向に1°、右方向に2°位のマージンができました。



 転車台の接触不良がなくなった所で実際に車両を動かしてみます。

     

 今まで動かなかった蒸気機関車も動かす事ができました。
 また今までように時々転車台で止まってしまうというストレスもなくなりました。

 転車台本体への通電はうまくいっているので内側のブラシの延長は今回は行っていません。
 同様にずれているようであれば内側のブラシにも延長処理をした方がいいかも知れません。

 今回、私のように転車台を電動化のために改造してしまった方の参考になればと思い記事にしました。
 本来接触不良は製品の不具合なのでメーカーに相談して交換してもらった方が良いと思います。
 なお今回のような改造を行うと動作していた転車台の機能を損ねる場合がありますのであくまでも自己責任という事でお願いします。

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