SL鉄道模型転車台電動化(レイアウト設置編その2)
2013年2月11日 3月1日改訂


 前回はSL鉄道模型の転車台を電動化してレイアウトに設置しました。
 一応動かす事ができましたがサーボの取り付けにいろいろと部品を使い結構複雑な手順だったのでもっとシンプルにならないか別の方法を検討しました。

 前回はジョイントパーツを使ってサーボホーンに主桁を取り付けました。
 サーボと主桁のずれを防ぐためにピアノ線をピンとして主桁とサーボホーンを固定しました。

 今回はサーボホーンを使わず直接主桁にサーボを取り付けました。
 主桁をビスでサーボ軸に留めればいいのですがただ留めただけでは回転によりずれが生じて正確な位置で主桁を止める事ができなくます。
 このずれをなくすため主桁に溝を作ってサーボ軸の切込みをその溝に入れてずれなすようにします。

 今回使用するサーボ以外の部品はサーボホーン固定ねじのみです。
 前回のように一般に売られている2mmのビスを使えますが何度も締めたり緩めたりしていると頭がつぶれてきます。
 専用ねじは頭が大きいので大きなドライバーが使えますしワッシャーなしでもしっかりと固定できます。

 まず主桁にビス穴を開けます。  穴の開け方は前回の記事を参照してください。
 次に主桁の本体への差し込み口に溝を作ります。



 厚さ2mm位のヤスリを縦にして差し込み口に溝を彫ります。
 方向は主桁を横に置いて縦方向です。
 この時主桁の金属部品を傷付けないように注意してください。



 ちょっと削り過ぎて周りの突起まで削ってしまいましたが丁度この突起の高さくらいまで削ります。
 なおカッターを使って同様の溝を彫っても構いません。(精度を高めるならそちらの方がいいかも知れません)

 次にサーボ軸にこの溝に合わせる突起を彫るのですがここで注意しなければいけないのはサーボの原点と合わせて置かないとサーボの非稼働範囲にレイアウトの線路が来てしまいそこに動かす事ができなくなってしまいます。
 サーボの非稼働範囲については前回の記事を参照してください。



 まずサーボを転車台本体裏に両面テープで仮留めしておきます。
 この時サーボの方向は実際にレイアウトに設置する方向にしておきます。
 私の場合サーボをレイアウトに対して水平に置くのでサーボのお尻が一番下の待機線(レイアウトに水平)の方向を向くようにします。



 目印になるテープを溝の幅に切って粘着面を上にして溝に置いておきます。
 この時サーボは原点にセットしておいてください。(サーボ軸の目印が真上を向く)
 この上に転車台本体にセットしたサーボ軸を置きます。
 この時主桁は転車台の原点位置になるようにしてください。



 サーボを原点に移動させるにはこちらのスケッチを使ってください。
 サーボをつないだ状態でスケッチを転送すると原点に移動してトルクオンの状態を保持します。

 位置が決まったら目印のテープをビス等で押さえつけてサーボ軸に貼り付けてください。



 テープが取れないようにサーボを転車台から外してください。
 テープが貼られていない部分を削れば主桁の溝と合う突起を切込みが作れるはずです。



 まずカッターでテープに沿って縦に切込みを入れます。
 今回サーボ軸を彫るのは1〜2mm程度です。
 サーボ軸は結構、硬い素材なのでカッターに注意して作業してください。
 この切込みに対して横に削っていきます。



 粗方削れたらヤスリで横方向を平らにします。
 この面がまっすぐ左右均等かどうかでサーボがスムーズに回転できるかどうか決まります。

 サーボ軸を主桁の溝に合わせて取り付けてビスで仮留めします。
 この時点ではあまりしっかり締めずに主桁が空転しない程度にしておきます。
 なおこの時サーボの両面テープははがしておいてください。



 サーボを回転させて主桁がサーボ軸に対して真っ直ぐ付いているかチェックします。
 この時サーボテスターがあればそれで回転させますが無ければ手で回しても構いません。
 サーボはトルクがかかっていないと少し力を入れば手で回す事ができます。
 この時主桁が空転したらチェックの意味がないので一緒に回転している事を確認してください。
 真っ直ぐ取り付けられていればサーボは転車台の基板に密着しているはずです。
 隙間が空くようであればその角度のサーボ軸の彫った部分を削って高さを合わせてください。
 隙間ができても全ての角度で均一なら問題ありません。(多少隙間ができた方が望ましいですが)

 チェックが終わったにビスを本締めしてサーボの取り付けは完了です。
 この時あまり強く締め付けると転車台自体が回転しなくなってしまいます。
 手で回して空転しない程度にしてください。
 実際に転車台を動かしてサーボ軸と主桁がずれるようでしたらもう少し締め付けてください。
 その際転車台用のスケッチだとサーボが回ってしまいますのでこちらのスケッチを使ってください。
 サーボをつないだ状態でスケッチを転送すると原点に移動してトルクオンの状態を保持します。
 またこちらの方法で調整しておくと確実に稼働範囲が確保できます。



 サーボの取り付け以外に今回は次のような作業をしました。



 前回はサーボの取り付けバンド側に両面テープを貼ったのですがちゃんとサーボに貼りついていませんでした。
 そこで今回は最初にサーボに両面テープ貼って後からバンドを貼り付けました。
 ねじ止めしなくてバンドは貼りついたままになるようバンドを押さえつけてテープを粘着させます。
 後は通常通りねじ止めを行いしっかり固定します。

 転車台をレイアウトに取り付けると主桁が外せなくなりメンテナンスがやりにくくなります。
 そこで転車台の空きブロックをふたつ外しておきます。(ブロックふたつ分でギリギリ主桁を外せます)





 外したブロックのネジ部分に1mmの穴を開けて小釘でレイアウトに留めます。
 通常の木ネジで留めてもいいのですが後で元の状態に戻せるよう最小限の穴にしました。

 後日
こちらの方法に変更しました。
 少しブロックの脱着が面倒ですがレイアウトの外観を損ないません。



 主桁を外すとサーボ軸が転車台の穴に対してずれていました。
 サーボは転車台を置いてサーボの位置を決めたのですが、サーボ穴を開ける時の位置がずれてしまったのだと思います。

 これでは回転に負荷をかけるのでサーボ軸が穴の中心にくるように転車台の位置をずらしました。
 このままでは手を離すとまた元の位置に戻るので転車台を固定します。
 転車台につながる線路を小釘で固定しました。
 前述の空きブロックの固定は転車台を固定してから位置を決めて固定します。



 今回の取り付け方法で転車台の停止精度は良くなるかと期待したのですがあまり変わりませんでした。
 少し加工に技術を要しますが少ない材料で済みますし主桁を外せるようになったのでメンテナスが楽になりました。
 主桁を外した時は、既に停止位置が調整してある場合は、主桁が空転する状態でサーボを停止位置まで回転させておいて主桁を手でその線路に合わせてネジを締め付けます。

 なお今回のような改造を行うと転車台やサーボモーターを破損してしまったり動作不良になる場合がありますのであくまでも自己責任という事でお願いします。

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